キャッシュフロー戦略と財務経営のポイント①

【粗利率よりも粗利額が大事】

1.粗利率に惑わされない

多くの社長は、「粗利率が高ければ会社は安泰」と思い込みがちです。確かに粗利率は経宮の効率性を測る重要な指標ですが、それだけに依存するのは危険です。たとえば粗利率が 50%の商品でも、売上が100万円なら粗利額は50万円にすぎません。一方、粗利率が20%でも売上が1,000万円なら粗利額は200万円です。

会社を支えるのは「率」ではなく「額」です。

粗利率にとらわれて本質を見失うことは、経営判断を誤らせる典型例なのです。

 

2.粗利額が会社の血液になる

会社が日々の支払いを続け、投資や返済を行うために必要なのは「粗利額」です。

粗利額こそが、人件費・家賃・広告費といった固定費を賄う原資であり、残った分が利益として積み上がります。粗利率だけを重視した経営判断をすると、固定費を賄うことすらできません。

経営者は常に「粗利額が十分か」「その額で固定費を吸収できるか」を確認する必要があります。

 

3.数字に潜む“錯覚’’に要注意

特に製造業や建設業では、粗利の計算に落とし穴があります。これらの業種は建設業会計、製造業会計といった特殊な会計の仕組みがあるため、粗利だけではなく、限界利益を考慮した経営判断が不可欠です。たとえば、粗利率が低くても、案件の規模が大きければ粗利額は稼げます。逆に粗利率が高くても、案件の数が少なければ固定費を賄えず赤字転落する場合もあります。

大切なことは、数字の“パーセンテージ"に惑わされないことです。

 

4.粗利額を優先し、次に効率を高める

赤字や資金繰りに悩む会社は、そもそも粗利の額が固定費を賄えていない可能性があります。この段階でいくら経費削減や効率化をしても、根本解決にはつながりません。まずは「十分な粗利額を確保すること」が最優先です。そのうえで、経営効率をさらに高めていく、という二段構えが必要です。順番を閤違えてはいけません。

経営においては、どの課題に先に取む組むべきか、優先順位を見極めることが生き残りのカギになるのです。

 

(POINT)

●経営を支えるのは「粗利率」ではなく「粗利額」

●固定費を賄う原資は粗利額であり、利益体質改善の出発点になる

●まずは十分な粗利額を確保し、そのうえで効率化に着手する

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