【利益が出ていても資金繰りが苦しい理由】
1.黒字倒産という経営の現実
「利益は出ているのにお金が残らない」。多くの社長が直面するこの矛盾は、黒字倒産の典型例です。決算書上は黒字でも、資金繰りが回らなければ会社は潰れます。利益と資金は必ずしも一致しません。 資金繰りが苦しいのは、利益の"額”が会社に必要な水準に逹していないか、利益が資金として残らない仕組みになっているのです。このギャップを理解することが、資金繰り改善の第一歩です。
⒉.「必要利益」を確保する
潰れない会社にするためには「必要利益」を確保しなければなりません。
必要利益とは、借入金の返済や将来の投資、納税を含め、会社を持続的に経営するために最低限必要な利益のことです。利益が出ていても、この水準に届いていなければ、資金繰りは常に苦しくなります。 利益は「いくら出ているか」ではなく、「必要額に達しているか」で判断する姿勢が欠かせません。
借入金の返済や未払金の支払は税引後利益から行うため、その分のキャッシュを稼ぐ必要があります。
3.資金を食いつぶす3つの要因
利益が資金に変わらない典型的な要因は、在庫・売掛金・固定資産です。
在庫を抱え過ぎれば資金は倉庫に眠り、売掛金が回収できなければ帳簿上の売上にすぎません。さらに固定資産に資金を投じすぎると、利益は出ていても現金が不足します。 これら3つに資金が流れすぎると、資金繰りは悪化し、黒字倒産のリスクが高まるのです。
4.資金繰りを救う「キャッシュフロー視点」
利益が出ていても資金繰りが苦しい会社は「キャッシュフロー視点」が欠けています。
PLの黒字に安心するのではなく、資金繰りを考え「お金がいつ、いくら必要か」を具体的に把握することが重要です。
在庫や売掛金の管理、固定資産投資のバランスを見直し、必要利益を超える黒字を確保する。キャッシュを残す経営こそが、会社を本当に強くするのです。
(POINT)
●黒字倒産は「利益が資金に変わらない構造」が原因。利益と現金は一致しない
●資金を食いつぶす主因は、在庫・売掛金・固定資産の3つ
●利益を“お金に変える仕組み”をつくることが重要
●固定資産の取得は減価償却費を通じて費用化されるため、支出と費用化のタイミングが異なる。借入金の返済などは税引後利益から行うため、その分利益が必要。