【売上至上主義と財務至上主義】
1.売上至上主義が待ち受ける末路
多くの社長は、「売上さえ増えれば、会社の問題はすべて解決できる」と誤解しています。
確かに売上は会社の成長の証でもあり、取引先や従業員にとっての安心材料となるものです。しかし現実には、売上を増やしても、お金が残らない企業は多く存在します。
たとえば、財務を無視した拡大路線を続ければ、支出が先行して資金繰りが悪化します。売上は一見華やかに見えても、中身を伴わなければ「虚栄心を満たす指標」にすぎないという事実に、社長は気づく必要があります。
2.財務の原理原則が導く「正しいやり方」
売上を増やす能力と、お金を残す能力はまったく別物です。
利益は経営の健全性を示しますが、利益が出ていても必ずしも現金が残るわけではありません。減価償却費や在庫の増減、借入金返済など、会計上の利益と実際の資金繰りは乖離します。
最終的に会社を支えるのは「現金」です。どれだけ売上が増えても、現金が底をつけば、経営は続けられません。
現金こそが「王様」なのです。
3.成果を左右する「正しい順番」
会社は赤字でも潰れません。会社が潰れるのは、お金が尽きたときです。これは経営における厳然たる真理です。
黒字倒産という言葉があるように、利益が出ていても手元資金がなければ支払いができず、倒産に追い込まれます。逆に赤字であっても資金繰りさえ確保できれば、会社を立て直す余地はいくらでもあります。社長が本当に注目すべきは、売上や利益ではなく、「資金がいつ、どのタイミングで、いくら必要になるのか」を見極め、確実に現金を残していく仕組みを作ることなのです。
4.正しいやり方と正しい順番の両輪が大事
「売上は虚栄心、利益は健全性、現金は王様」という言葉は、経営において最も重要な指針です。
売上を追いかけることに意味がないわけではありませんが、それが資金に結びつかなければ会社を守ることはできません。
利益を意識しつつも、最終的にどれだけ現金を残せるのかを常に逆算して経営判断を行うことが不可欠です。
そのためには、資金繰り表の整備、月次決算の早期化、銀行対策など、現金を軸にした経営基盤を築くことが必要です。
現金を残す力を養うことこそが、倒産を防ぎ、会社を未来へとつなぐ道となるのです。
(POINT)
●売上よりも大切なのは「現金を残す力」
●黒字でも資金ショートすれば会社は潰れる
●資金繰り表・月次決算・銀行対策で「通帳を太らせる経営」へ