贈与税の計算方法には暦年課税と相続時精算課税があります。
暦年課税は、 1年間の贈与財産から基礎控除額110万円を差し引いた残額ついて、贈与税率を乗じて贈与税を算出します。
相続時精算課税は、 1年間の贈与財産から、基礎控除額110万円を控除し、特別控除額(限度額2,500万円。前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20パーセントの税率を乗じて算出します。
暦年課税の生前贈与加算が3年から7年に、相続時精算課税制度に110万円の基礎控除が創設されたことにより、どちらが有利かの判断が難しくなりました。
(1)資産1億円で10年間にわたり毎年250万円(合計2,500万円)を生前贈与した場合
①生前贈与せず 1億円を相続した場合の相続税 1,220万円(相続人1人の場合)
②暦年課税 10年間の贈与税140万円+相続税897万円 1,037万円
③精算課税 10年間の贈与税0円+相続税890万円 890万円
∴相続時精算課税が有利
(2)資産1億円で20年間にわたり毎年250万円(合計5,000万円)を生前贈与した場合
①生前贈与せず 1億円を相続した場合の相続税 1,220万円
②暦年課税 20年間の贈与税280万円+相続税332万円 612万円
③精算課税 20年間の贈与税60万円+相続税580万円 640万円
∴暦年課税が有利
長い期間贈与が見込まれる場合には暦年贈与がよいですが、贈与者が高齢の場合には、相続時精算課税に切り替えるのも選択肢となります。ただし精算課税を選択すると、暦年課税に戻ることはできません。
贈与は各人別に適用されますので、父からは相続時精算課税制度、母からは暦年課税という形も可能です。
また暦年課税は、原則として孫への贈与の持ち戻しはありませんので、暦年課税と相続時精算課税を上手に組み合わせて利用するのもよいかと思います。
暦年課税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
相続時精算課税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm