生前贈与で失敗しないために知っておきたいメリットとデメリット!
生前贈与は相続対策としてよく検討されている手段です。確かに、有効活用すれば生前贈与は数々の良い効果をもたらします。しかし実際に取り組むべきかどうか、個々の財産状況や家族構成を踏まえて慎重に考えなくてはなりません。
闇雲に取り組むのではなく、生前贈与にどのようなメリットやデメリットがあるのかを知った上で取り組みましょう。
生前贈与とは
生前贈与とは「生きているうちに、無償で、財産を他人へ譲ること」をいいます。
一般にいう「贈与」と同じで、相続を意識した文脈では特に「生前贈与」と呼んでいます。
そのため生前贈与を行うときは贈与全般に適用されるルールが適用されますし、さらに相続に関するルールの影響を受けることもあるため注意してください。
たとえば生前贈与として財産を受け取った方には贈与税が課税されますし、贈与のタイミングややり方次第では相続税が課税されることもあるのです。
メリットとそれに対応するデメリットや注意点
生前贈与に取り組むことで、「相続税を軽減できる」「資産の早期移転ができる」「確実に財産を受け取ってもらえる」という効果が生じます。
ただし、必ずメリットが得られるとは限らず、デメリットやリスクが生じるケースもあるため注意してください。
以下でその各効果についてメリットとデメリットを見ていきます。
相続税の軽減効果について
生前贈与の大きなメリットとして「相続税の軽減効果」が挙げられます。
相続税は、相続開始時点の遺産総額をもとに算出されますので、相続前に財産を渡しておけばその分税額も小さくすることができます。3,000万円以上を差し引くことができる基礎控除額以下にまで抑えることができれば、非課税で遺産が取得できるでしょう。
ただし、節税を狙うのであれば相続税だけでなく贈与税の負担についても着目しなくてはなりません。相続税の課税を回避できても、贈与税の課税を受けてしまっては節税ができないどころかかえって税負担は大きくなってしまいます。
※一般に、相続より贈与の方が適用される税率は大きくなる傾向にある。
そこで目的を果たすには贈与税の仕組みを把握し、特例などを駆使してできるだけ課税を受けない形で贈与することを目指す必要があります。
資産の早期移転について
生前贈与によって、現役世代へ早期に資金を移すことができます。その結果、自宅の購入や教育費の支出、起業資金への備えにも活用することができるようになるでしょう。これは家族全体の資産運用の観点からもメリットといえます。
経営者であれば、早めに株式を後継者へと移転させて次期経営者を育てることができるというメリットも得られるでしょう。
一方で、贈与した財産は贈与者の所有物ではなくなり、その後生活環境が大きく変化して「やっぱり返してほしい」と考えるようになっても自由に取り戻すことはできません。
そのため、介護費用や医療費などが予想以上にかかる可能性も考慮する必要があります。受贈者との関係性が良好で金銭的な支援が受けられるのであれば大きなリスクとなりませんが、家族関係が悪化した際にはリスクが大きくなってしまいます。
確実な財産の受け取りについて
特定の財産を、特定の人物へ受け取ってもらう必要があるときも、生前贈与が効果的です。
遺言によっても遺産の受け取りを指定することは可能ですが、遺言が効力を生じるのは遺言者が亡くなってからです。この点、生前贈与は贈与者と受贈者の契約により実施される行為ですので、相手方が受け取るまでの一連の手続きに一緒に取り組み、受け取ったことを見届けることができます。
そのため「どうしても引き継いでほしいものがある」「相続で争いになりそうなものがあるから先に解決しておきたい」などのニーズがある場面では、生前贈与にメリットがあるといえるでしょう。
しかし、相続財産を前渡ししておきたいという趣旨で贈与をした場合、いくつかの問題が生じる可能性があります。
《相続財産の前渡しによる問題点》
- 「生前贈与加算」の対象となる可能性がある
→ 原則として相続開始前7年以内に行った贈与は相続税の課税対象。節税効果がなくなる可能性がある。 - 贈与の実態がない「名義預金」と評価される可能性がある
→ 受贈者が贈与されていることを認識していない、管理権限を持たない、などの状況にあるときは実質贈与が行われていないものとして扱われる可能性がある。 - 「特別受益」と評価されて法定相続分が調整される可能性がある
→ 先に遺産を受け取っていたものとみなされると、贈与財産分が法定相続分から控除される(この処理を「持戻し」という)。特定の人物を優遇したいのであれば特別受益の持戻しを防ぐため遺言書に記載をしておくなどの工夫が必要。 - 「遺留分を侵害した」と評価されて金銭の請求を受ける可能性がある
→ 財産の大半を与えるなど極端な贈与を行った場合、受贈者以外の相続人による遺留分侵害額請求が認められる可能性がある。
そのため贈与のやり方、ほかの相続人とのバランスにも配慮することが大切です。
生前贈与のメリットが大きいケースとは
あらゆる場面で生前贈与がおすすめといえるわけではありません。上記のメリットとそれに対応するデメリットを踏まえて、「デメリットよりメリットの方が大きい」といえるケースで実践しましょう。
考慮すべき事項が多く、税制も絡む問題で専門性も高いです。そのため判断も簡単ではありません。税理士など専門家も頼りながら検討を進めることをおすすめします。
ただ、一般的な傾向として次のような場合であれば生前贈与を積極的に検討する価値があります。
- 財産総額が相続税に係る基礎控除額を大きく上回っており相続税の負担が大きくなりそう
- 家族間・親族間の関係性が良好
- 年齢や健康状態から見て、計画的に取り組むだけの時間的余裕がある
他方、次のケースではより慎重に検討を進める必要があります。
- 家族関係に不安要素がある
- 老後の生活資金に余裕がない
- 健康状態に大きな不安がある
- 財産総額が相続税に係る基礎控除額を下回る
専門家に相談して、生前贈与に取り組むことが有効かどうか、取り組むならどのように進めていくべきか、アドバイスを参考に判断しましょう。

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